| 寄稿 |
2007.12
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世界の空と人をつなぐ「あまみず」
21世紀は水の時代 戦争の時代といわれた20世紀を終え、21世紀は世界的に水の時代と言えます。世界各地で台風やハリケーンによる大雨の害がある一方、別の地域では水不足により干害、砂漠化の進行が進んでいます。これらは非衛生な状態を招き、まず被害を受けるのは子供たちです。 私は8月まで外務大臣政務官を務めていた時、地元墨田で旧知の「NPO法人雨水市民の会」徳永暢男会長、村瀬誠事務局長が訪ねてこられ、バングラデッシュでの取り組みを伺い、「井戸を掘るのではヒ素の汚染が心配。雨季には雨がたくさん降る地域なのだから、それを衛生的に水がめで貯めること、水量がどれくらい残っているかを地元の利用者が把握することが重要だ」と伺い、そのとおりだと思って、必要経費も少なくてすむことだし、外務省のODAの対象とするよう働きかけました。 私はこれからの日本のODAは環境に資するものを優先すべきだと考え、その中でも上水道整備、汚水処理は重要だと考えています。11ヶ月の任期中にガイアナ(南米)の上水道整備のODA署名式にも参加し、また、パナマやジャマイカなど訪問した国でも、日本の技術で下水道を整備し湾内の浄化がなされていました。一方、中央アジアのウズベキスタンでは塩水湖であるアラル海が干ばつによりどんどん縮小し、周辺住民に塩害をもたらしていると聞いて心を痛めました。 そして、現在、国土交通副大臣を務め、水問題とのかかわりは一層密接になりました。 私が副大臣になる直前に発行された白書ですが、墨田区の雨水利用がこのように評価されていることに、私も鼻高々となりました。 2011年には墨田区押上に高さ610メートルの世界一の新タワーが完成予定ですが、新タワーの敷地内に設けられる「新環境ふれあい館」に雨水資料室が移転される見通しだということです。この新タワー誘致に関しては、私も、航空法に基づく建設物の高さ制限撤廃に尽力し、さらに交通量の増加を見越して東武鉄道の押上の大踏切(開かずの踏切)を国の補助事業として高架化するよう、現在、国交省に、指示を出しているところです。新タワーにふさわしい、世界初の雨水資料室が設けられ、各国からのお客様に勉強の場を提供できるなら非常に意義深いことであり、新タワー建設を裏方として支援してきた私にとっても、大変うれしいことです。 また、墨田区が全国の自治体に呼びかけてできた「雨水利用自治体担当者連絡会」(代表幹事・墨田区。参加自治体127)が今年12月に、世界初の「全国雨水ネットワーク」を立ち上げるために、雨水にかかわる国、市民及び企業や学会に呼びかけると伺いました。国土交通省として、どんな支援のあり方があるか、私も知恵を絞りたいと思います。 国土交通省の調査では、雑用水を水洗トイレや冷却用水、洗車などに利用している施設は全国で3047にのぼり、そのうち53%にあたる1628ヶ所で雨水を利用しています。(平成18年3月現在) 国交省も、税制や政策金融によって雨水利用を推進しています。例えば、汚水処理設備と同時に設置する雨水貯留槽には税制上の優遇措置を設けています。また、延べ床面積2000平方メートル以上の建物が30%以上の節水効果を持つ雨水・排水再利用施設を備えるか、100平方メートル以上の雨水貯留施設を設置した場合、日本政策投資銀行の低利融資の適用対象となります。そのほか、国土交通省の「まちづくり交付金」や「地域住宅交付金」という、柔軟な制度も用意してありますので、ぜひ、活用してください。 また、東京の下水道は早くに整備された結果、雨水と生活排水の合流式が中心となっており、大雨が降ると路上に生活排水の混じった雨水があふれかえるほか、東京湾に放流されるなど、水質保全や公衆衛生上の観点から問題になっています。そこで、地下や公園に一定量の雨水を貯留できる施設を順次つくっています。 例えば、東陽幹線墨田区(延長7620メートル)は墨田区の市街地300ヘクタールの雨水を分離して集め、砂町水再生センターに送水する役割を果たし、雨水は同センター内の雨水貯留池で処理され、東京湾に放出されます。現在は三之橋ポンプ場から砂町水再生センターまでが使われており、平成21年度には、三之橋ポンプ所から業平橋ポンプ所までの整備が完了する予定です。
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